糸ひき飴

なんとなく駄菓子をネタに書いてみたくなったので。
このテの文章を書いて見せるのは今回が初めてになるんじゃないかと。



ねぇ、糸ひき飴って知ってる?んー知らないか。私が小さい時にね、よく駄菓子屋で買ってたんだー。
クジ引きみたいに紐がいっぱいあって、その中から好きなの選んで引っ張るの。
その紐の先には飴が付いてるんだけど、はずれだとちっちゃいのがついてて、当たりだと口に入らないくらいの大きいやつがついてるの。
駄菓子屋に行くたびに挑戦してたけど結局一度もあたりを引けなかったなぁ。
でもね、私ははずれのイチゴ味の飴が一番好きだったんだ・・。



「あ、当たった!ほら見ろよ!」
「ほえ?」
私は、口に飴を入れたまま間抜けなセリフを返した。食べているのはさっき引いたはずれのイチゴ味だ。
「やったぁ!初めて当たったよ!・・・ってこれ黄色い。パイン味じゃんこれ。」
「パイン味、やなの?」
「き、今日はそういう気分じゃないんだよっ!」
こないだはずれのパイン味引いたときも同じこと言ってたなぁ、ケンちゃん。
「でも当たりだよ〜?食べないの?」
「おれはイチゴ味がいい、今日はイチゴ味なんだ!」
でも、ケンちゃんはさっきの飴で今日のおこづかい使い切っちゃったみたいだし・・・。
そこで私は口の中のイチゴ味に気がついた。
「じゃあこれあげる。」
そう言うと私はおもむろに自分の口から垂れ下がっている糸をケンちゃんに向かって差し出した。
「え?」
「だって、わたしのイチゴ味だよ?」
そう言って糸を持った手をぷらぷらさせる。まるでおいでおいでをするかのように。
「・・・う、うん。」
でも、その顔はさっきまで食べたがっていたイチゴ味のように赤くなってうつむいていた。
せっかく私のをあげるって言っているのにどうしてかな?
「いいから持って、はい!」
じれったくなって、私はそのままケンちゃんの手に糸を握らせ、そのまま飴を唇で挟んで突き出す。
「え?ほ、ほんとにいいのか?」
コクンとうなずく。すると私の視界にケンちゃんが大映しになって・・・
「んんっ」
唇に柔らかいものを感じた後、そこにあった飴は無くなっていた。
「・・これ、やるよ。」
何が起きたのか理解できていなかった私はイチゴ味の顔のまま、もう一度コクンとうなずいて当たりの大きなパイン味の飴を受け取った。
でも、なんとなく今食べたらもったいない気がした。今日は私もイチゴ味の気分になったから。


「イチゴ味、おいしい?」
「・・うん、うまい。」
「今度引いたら、わたしにもちょうだいね。」

開店しました

うちのメニューはサバカレー定食しかありません。あとサバカレー単品とサバカレーライス抜き、あとお持ち帰り。

失礼しました、というわけではてなのIDを取ってたのに放置してたので一応使っていこうかと。
まぁ、普段はついったーでなんでも出力しちゃっているのでこっちに物を書くのは気が向いたときだけになりそうですね。長文描いたりとかメモしておくときとか。つまり俺専用チラシの裏。つまんなくても泣かない。


ではでは開店いたします。